出会いなんてものじゃない

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「……………」 「……………」 長すぎる沈黙の後、我に帰った瀬良は 「すみませんでしたあぁああぁああぁ!!!!」 と叫びながらドアを閉め公園を走り出た やってしまった!!! 見てしまった!!!! 床に脱ぎ捨てられたスーツのスラックス!はだけたシャツ! え!何?俺と目があったあの人!手首と膝縛られてなかった?しかもネクタイで!何それすごい!エロ動画でしか見たことないけど!! あれ……ちょっと待て 瀬良ははたと足を止め、先ほどの光景を反芻した 相手も男じゃなかったか? 奥の人に目がいって全然気にも留めなかったけど… え……ホモ? その瞬間、頭の中で様々な今までの記憶がぐるぐるとめぐっていく ((先輩!この前男同士がヤってるの偶然見ちゃったんっすよ!)) 同じ部署の後輩の戸坂が話しかけてきたのを思い出した 「そういう…ことか……」 そういえば思い出してきたな… ((後から知ったんっすけど、あそこらへんハッテン場らしくて…)) ああぁあぁあ!だからあの公園ね!戸坂が言ってたところじゃん!! 路地の奥にあるから人来ないし! てか今深夜だもんね!なるほどね!! ってことはあの苦しそうな声って…… 「はあ、そういうことね…」 いつの間にかついていた自分の家のドアに鍵を通しドアノブを握ると さっき目があった男の顔がフラッシュバックした 少し垂れ目でそれと並行の自然なタレ眉 そしてその目にわずかにかかるサラサラの細い髪 綺麗な顔だったな。 すごい焦った顔してたし、口元手で塞がれてたけど。 普通に女の人からもモテそうなのになんで男の人なんだろう なぜか忘れられない顔を思い浮かべながら瀬良は自宅へと帰っていった
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