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「ところで姫はここで何を? 姫は月に帰ったのでは?」
「よく分からんのじゃが、日本での修行は失敗だそうじゃ。それでこの世界で5つの宝を探さねばならぬ」
爺やは5つの宝と聞いて、思い出したように
「もしや5つの宝とは、姫があの公家どもに探させた無理難題かの?」
「そうじゃ。父上がその無理難題を今度は妾に押し付けよった」
それを聞いて爺やも婆やも困ったように苦笑いを浮かべている。
「我らも行くあてなど無し、一緒に連れて行ってはくださらぬか」
兎から兎人に姿の戻った雪兎が出てきて、爺やたちの人の良さそうな顔を見つめて言った。
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