3 再会

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 爺やと婆やはまず広さに、そして煌びやかな調度品に驚き、物珍しいものを見るような感じで手あたり次第触っている。 「月の船『天の川』です。この異空間は、人を小さくさせるのです。かぐや姫も最初は小さかったでしょう。あれと同じ原理です」 「ホぉ 異空間とのう。 よく分からんが、すごいもんじゃのう」 「さぁこれで移動しましょう」  雷兎が運転席に座り、各装置を稼働させようとしている。  ――と思っていたら―― 「いやじゃ! 妾は歩くのじゃ」  かぐや姫は外の景色を楽しみたいのだろう。今まで部屋にこもりっきりだったのであろう。気持ちはなんとなく分かる。 「仕方ありません。では姫様、これをお持ちを」 「なんじゃ? これは」
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