妹/紫苑/あかつき草子…3

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妹/紫苑/あかつき草子…3

結局、バイクで行くことになっちゃった。 ヘルメットを被ってるし、誰かわからないよね。 もう一度、お兄ちゃんに腕を回す。 「はい。ちゃんとつかまって。落ちたら大怪我どころじゃ済まないんだぞ」 お兄ちゃんは私の両腕をつかんで、ぐいっと自分に引きつける。 「よし」 ドッド、ドッド、ドッド…… うわ! 前にバイクに乗ったのって、いつだったっけ? こんなに、密着してたっけ?  ああ、してないと落っこちてしまうよね。 私の胸が、ムギュってつぶれてない? お、お兄ちゃんだよ……。 何だか、恥ずかしい。 思ってるうちに、スタートした。 「紫苑、風が気持ちいいなー」 「うん。気持ちいいー」 走り出したら、変なこと思ったのなんて、どこかに飛んでった。 ひゃーん! ほんと、気持ちいい。 すぐに、スーパーに着いた。 ヘルメットを脱ぐ。
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