拝啓、先生

拝啓、先生

お久しぶりです。このところ異常気象が続きますが如何お過ごしでしょうか。

私が卒業してからもう随分と経ちます。先生はもうそろそろ定年でしょうか？時の流れは早いですね。

先生、私は先生に教わった事を卒業してからもずっと実践してきました。例えば『若い内は電車ではなるべく立っていなさい』だとか、『どんな時も笑顔を絶やさずにいなさい』だとか。小学校の頃からなので、人生の大半でやり続けている事になりますね。

先生は大切な事を沢山教えて下さいました。私の心に一番残っているのは『どんな人間にも良い所はある』という教えです。覚えておいででしょうか？私はハッキリ覚えています。

先生はその後続けてこうも言いましたよね。『だから、どんなに苦手だったり嫌いだったりする人間でも良い所だけ見て接しなさい』私はこれも実践してきました。

先生、私はずっと素直に貴方の教えを実践してきました。様々な事を教えてくれて、色々な視点をもたらしてくれた先生を慕っていたからです。先生はいつも正しい事を教えてくれたからです。

けれど、もう限界です。私のやり方がまずかったのでしょうか、今となってはわかりません。

私の心は壊れてしまいました。

先生、先生は大切なことをたくさん教えてくれました。わたしは先生が大すきでした。

でも、先生はこわれた心のなおし方はおしえてくれませんでしたね。

せんせい、わたしはどうしたらいいの？

ぐしゃぐしゃの手紙。差出人は誰だったか、今もまだ思い出せないでいる