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 志穂の掛け声に「だ、だーっ」と無理やり合わせてぎゅっと力をかけ、──── パッと。  パッと、あまりに軽やかに、光が消えるように、四人の手がいなくなった。  あとはただ、光の柱がそこに残っただけ。  私は胸に抱えたそれをぎゅっと抱き締めて、ふたたび数珠を辿って先に進んだ。やがて前を行く二人の輪郭が現れ、地上へ上る階段に足を掛けた。  私は。後ろを振り返った。  残光。地上からの光に微かに浮かんだ白い笑みが見えた。……… ような、気がした。
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