6畳間-第1

1/1
前へ
/21ページ
次へ

6畳間-第1

 深夜の6畳間で、私ははっと目を覚ます。時計の針に目をやると、午前3時半を指している。秒針がチクタクとリズムを刻んで、古い暖房の音がそこにドローンを加えている。掃除をしていないエアコンは、かびの臭いとともに部屋に熱を吐き出し続けている。  私は布団から出ずに、目だけをうっすらと開けて、ぼんやりと白い天井を眺めている。眠れないから夜もすがら、あの日のことを思い出している。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加