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第3話 明日への光
突如現れた謎の少女に俺たちは戸惑いを隠せなかった。するとカニの姿をしたイーターが少女に大きなハサミを振りかざすと背中に装備していた巨大な先割れスプーンの様な槍で受け止めた。
華奢な体の少女からは想像もできないほどの力だ。
「戦闘アプリ起動」
少女がヤリに付いている液晶画面を起動させると黄金色に輝く槍でイーターの身体をいとも簡単に貫いた。
貫かれたイーターはすぐに灰と化して消えてしまった。
「すげえ」
俺が彼女の姿に見とれていると
「私は向こうのイーターを倒してくるから自分の身は自分で守って」
彼女は俺に変わったデザインの銃を手渡した。
「簡単に説明するわ、この銃の側面にある画面に戦闘アプリがあるから後は案内に従って起動させれば使えるわ」
「君は一体? 」
「私はサキ。生き延びたら事情を話すわ。 くれぐれもイーターに余計な感情を抱かないことね」
一方的に言い放ち少女は去ってしまった。
「あの子は一体誰? 」
「それより今のうちに逃げるぞ」
俺はリナの腕を引き急いで入り口に向かって走った。先に逃げた仲間たちはイーターの餌食になってしまい所々で血痕や肉片が散乱していた。
俺たちは口を手で押さえ吐き気に耐えながらも必死に走り続けた
「やった出口だ」
すると頭上からイーターになったリクが現れ俺たちの行く手を阻んだ。
「リク、俺だ目を覚ませ」
俺はリクに銃口を向けながら必死に呼びかけるがリクの耳には届かずうなり声をあげながら襲い掛かってきた。
俺は足がすくんでしまいその場から逃げることができなかった
死を覚悟したその時、さっきの少女がフォークでイーターを弾き飛ばした。
「お前、まだそんな無駄なことを考えているのか? 」
「無駄な事ってなんだよ」
「イーターになった人間がどうなるか分かっているだろう? 」
確かに彼女の言う通り理解はしていた。しかしリクとは本当の兄弟のように暮らしてきたのでどうしても受け入れることができなかった。
するとリクは後ろで腰を抜かしているリナに襲い掛かった。
「リクやめろ! 」
リクはリナの身体に触手を絡め捕食しようとした
「助けて」
その時、逃げる際に転んでケガをした右膝から垂れたリナの血液がリクの身体に触れると
「ギャアアアア」
リナに絡んでいた足が灰のように崩れ去り難を逃れた。
「大丈夫かリナ? 」
「うん…… 」
この様子を見ていたサキが
「これがレアブラッドの力なのか」
そして足を1本失ったリクが怒りをあらわにして俺たちに襲い掛かってきた。この時俺は覚悟を決めた。
「リク今までありがとう」
俺は大粒の涙をこぼしながらサキに言われたとおりに戦闘アプリを起動させると黄金色の光が俺の身体を包み指先に想いと力を込めて引き金を引くと銃口から白色の閃光団が放たれリクの頭を消滅させ灰になった。
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