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隣家の犬の太郎くんに恋したミニョンちゃんは、是が非でも手編マフラーをクリスマスプレゼントしたかったが、何せ猫だから上手く編めなくて悩んでいた。飼い主のミーちゃんに思い切って相談したら、「足も使ってどうにかしたら。」と冷たい返事で諦めていたら、ミーちゃんがかぎ針と毛糸買ってきてくれて、ミニョンちゃんの手を取って一緒に編んでくれた。毛糸は後ろ足で押さえた。太郎ちゃんは中型犬でお散歩するのを毎朝窓から見ていて使って欲しかった。ミニョンとミーちゃんが夜なべはしなかったが、2人ともお昼寝時間を割いてやっとこさ仕上げクリスマス前に完成した。23日の朝一にお隣の太郎くん飼い主さんがやってきて、田舎の伯父さんが危篤になりクリスマスに太郎くんを預かって欲しいと頼まれてしまった。ミニョンちゃんは大喜びで、クリスマスツリーを飾ってある居間に太郎くんを案内した。そうして、ミニョンちゃんのより大きめな太郎くんのベッドを隣家から運び隣に並べてもらった。太郎くんも以前から隣家窓から自分を見ているミニョンちゃんを憎からず思っていた。2匹ははしゃいで室内を走り回ったり、じゃれ合ったりしていた。隣人は安心して出かけて行った。クリスマスイブの日はパーティーをして、犬猫用ケーキを食べて、ミルクで乾杯して、ミニョンちゃんの好きなニボシを太郎くんの口元に届けてファーストキスを初体験して、猫毛の下の肌がほんのりと赤く染まっていた。並べたベッドに2匹は深い眠りに就いたが、夜中にミニョンちゃんは太郎くんの温かい犬毛ベッドに潜り込み抱き合って甘いイブの夜は更けていった。25日の朝には太郎くんへのプレゼントの手足編みマフラーとお揃いののマフラーを飼い主ミーちゃんが内緒で編んでくれていて、これは手編であった。可愛いソックスの中にそれぞれ入ってあり、2匹は喜び室内を駆け回り、ミーちゃんにありがとうのキスをした。ホワイトクリスマスの雪も、「この家だけ温度高めだから、とけちゃうよ。」叫んでいた。
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