拾う男

あちこちからの払い下げの筋トレマシンも用意されていた。

何より同じ夢を追いかける仲間が側に居る。
それが一番の励みだった。

寮へは商店街を抜けて帰るのが一番早い。
ジュヴァリアルの面々は店の人や通行人らが大歓迎してくれる中を数人ずつのグループで三々五々帰っていった。

みんな笑顔で喜んで祝福の言葉をくれる。
それだけで嬉しい気分だけど、食べて食べてと次々に商品が差し出された。

実はいつも貰いながら帰るから食費がかなり助かっている。
商店街あげての応援にはほんとうに感謝しかない。

中でも全員が好きなのがコレ！
肉屋のおばちゃんが振る舞ってくれるアツアツのコロッケは最高に美味い！
おばちゃんの顔を見るだけでヨダレが溢れ、尻尾をブンブン振りたくなる。

今日の樹は特別だ。
おばちゃんは目に涙を溜めながら彼を褒め、コロッケとメンチを沢山持たせてくれた。

心がジンとする。