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クラブハウスからグラウンドへの通路は選手に声を掛けようと二重にも三重にも人垣が出来た。
サインを求める者、握手を求める者、並んで写真を撮りたがる者…
ジュヴァリアル、とりわけ樹を取り巻く変化は如実に表れた。
彼はこの状況に戸惑う。
女子に囲まれている!!
お洒落でイイ匂いのする可愛い女子が『握手してください!』だの『写真撮らせてください!』だの、恥ずかしそうに笑顔を向けてくるのだ。
舞い上がらない方がオカシイ。
…俺…もしかしてスゲーのかも…
…いやいやこんなところで鼻の下を伸ばしてどうする!
素直な彼は素直に調子に乗った。
彼の夢は日本代表。
『海外組』と呼ばれる選手の仲間入りをすることだ。
ジュヴァリアルをJ1に押し上げた後で海外のチームに移籍、
そこから日本に凱旋する、というサクセスストーリーを思い描いていた。
少年は大志を抱く━━━
青空に沸き立つ入道雲のように、彼の将来が純白に輝き、高く、天にも届く気がする。
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