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お持ち帰り①【side佐藤】
神田くんが起きない。寝顔めちゃ可愛いけどさすがにこの状況はまずいと思う。
「俺が連れて帰る」
「なんで西田が連れて帰るの?」
「別にいいだろ。佐藤よりはこいつと仲良いし」
本当に西田と仲良いのか?確かに打ち上げの最初から隣に座ってはいた。だけど…こいつは危険すぎる。
「俺の家こっから近いし俺の家につれて帰る」
「ふっ、必死だな佐藤。そんなに後輩がかわいいならなんでもっと話してやらないんだ」
「…っ、それはその……」
「まぁいい、俺は朝から仕事があるから譲ってやるよ」
意外とあっさりしているんだな。西田は女を取っかえ引っ変えしてるやつだという噂がある。男には興味ないか。
「佐藤せんぱーーーい!」
うっ、この声は芦田か?芦田は高いけど嫌じゃない西田とは真反対の後輩声優だ。
「なんだ?」
「うわっ先輩機嫌悪くないですかー?先輩!もう1件いきましょうよ!」
どうやら俺は西田と話すと機嫌が悪く見えるらしい。
「ははっ芦田じゃねーの。佐藤は今日は無理だぜ」
「悪いな、俺は神田くんの面倒を見なきゃなんだよ」
「えっ神田寝てんの?こいつ、よく1番年下のくせに打ち上げで酔いつぶれられたな」
「俺が飲ませてしまったからこいつは悪くない」
神田くんの酒が飲めるってのはたぶん嘘だろう。俺に気をつかったんだな。ほんとにいいやつだ。
「えー先輩が?!意外ですね、じゃーまた今度ね先輩?」
「わかったよ」
「それにしても神田くんかわいいですね。イタズラしたくなっちゃう。ふふっ先輩だめですよ?」
「なにを考えている?男だぞこいつは」
そうだ、神田くんは男。だけど俺は彼が好きでたまらない。
「じゃー神田くん連れて帰るから」
「ばいばーいせーんぱい」
なんか芦田が苦手なんだよな…
さてと、おぶって帰ろう。
「よいしょっと…かるっ!」
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