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お持ち帰り②
「んっ……ふわぁ」
「あっ起きた?」
「おはよ…ん?ええええ!うわぁー!えっ」
どうして2人でいるんだ、あれ打ち上げは?ここはどこ?!
「落ち着け」
「あっ、す、すみません」
うわー怒ってるかな?僕酒飲んだからたぶんそれで寝ちゃったのかな。
「酒飲ませてごめん」
「いえ!弱いって言わなかったんで!こちらこそごめんなさい」
「いや、謝るな。俺が悪いから。ここは俺の家だ。家が分からなかったからとりあえず家に連れて帰ったんだが今からじゃ電車はないな」
んんんんんっ?!ここは佐藤さんのおうち?!
誰も寄せ付けない佐藤さんのおうちにきてしまったのか?!
というか運んでくれたってことだよね。
「すっすみません!すぐタクシーで帰りますんで!」
「お、おい待て!」
「うわぁぁぁー」
ドンッ
「「えっ?」」
な!引っ張られて転んでしまった?!上に佐藤さんが乗ってしまっている。ん?なんですぐどかないんだ?
「さ、佐藤さんちょっと重いです。佐藤さん?」
「神田…」
「えっ?」
急に呼び捨て?お、怒ってるのかな?でもどいてほしいよ。
「佐藤さんどいてください」
「わ、悪い」
やっとどいてくれた。
「怪我してないか?」
「はっ、はい。すみません」
「今日はもう遅い。泊まっていくといい。明日仕事はあるか?」
「いえ、ありません。じゃーお言葉に甘えて泊まらせてもらいます。佐藤さん明日の仕事は?」
「昼過ぎだから気なしなくていい」
「は、はいわかりました、すみません。あの、運んでくれたりいろいろ本当にありがとうございます!よろしくお願いします」
やばいやばいやばい!お願いしちゃったけど!こんな部屋で仕事じゃない2人きりの時間とか耐えられないよ?でも佐藤さん泊まっていくって言ったらちょっと嬉しそうな気がするけど気のせい…?
「神田くん風呂先に入ってきてほしいんだけどいいかな?」
「はっ、はいわかりました!ありがとうございます」
「あったまっておいで。狭いけどごゆっくり」
「ありがとうございます!」
「お先です、気持ちよかったです!」
「よかった。ごめんな、俺の服で。下着は新しいから安心して」
「いえいえ!何から何までありがとうございます」
うわー佐藤さんの服借りちゃったよ、下着まで用意してくれて本当に申し訳ない。
「じゃー俺も入ってくるから適当にゆっくりしてて。ソファーとか座っていいからね」
「はい!ありがとうございます」
はぁぁぁ。緊張するよ。佐藤さん一人暮らしなのに広い部屋だな。
「綺麗な夜景!窓からこんな綺麗に見えるなんてここ20階くらいかな?」
それにしても佐藤さんの声をこんな夜遅くまで聞けるなんて。そういえばもう〖勇者と護り人〗は終わったから佐藤さんの生のボイス聞けなくなる…
「やだな」
でもまた新しい仕事もらえるように頑張らなきゃ!
次の現場も楽しく真剣にやる!
「ふぁ、眠い」
また寝そうだ。でもさすがに寝て待つなんて失礼なことできない。けどこの部屋佐藤さんのいい匂いするし、落ち着く。
「ちょっとだけ、ごめ…ん…なさ」
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