初恋

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初恋

 あの日からどれだけの月日が流れたでしょうか。もう会うこともないのに、いつまでもあなたを思ってしまうのはなぜでしょうか--。    ふっと昔を思い出しすと、あなたの顔が真っ先に浮かびます。  --いえ、きっとあなたを思い出すので昔を思い出すのでしょう。  私は、あなたと喋れただけでその日1日がキラキラと輝く世界を見せ、背中に羽が生え青い空を自由に飛び回らせるように舞い上がらせます。  あなたという存在は私に、何度も魔法をかけます。  たまに夢にも出てきます。目覚め現実を認識し、夢だったことを理解したとき  --あぁ、夢か……。  と、喪失感、苦しみが私を襲います。  あなたは今どこで何をしていますか?  今あなたの隣に最愛の人がいますか?  --なんて。  これを聞いたら私は、まだあなたが好きなのかと思うでしょう。  いいえ、違います。  あの頃伝えられなかったこの想いが、私の中で「後悔」として、どろどろと残るのです。  自分の幼き頃の甘い幸せな改竄された記憶、どうしようもない行き場のないこの想いが、混ざり合い、消化不良として塊となり残るのです。  この塊が、ずっしりと重く私の心にのしかかるのです。まるで「魔法」にかけられているようです。  そういえばあなたは、私に魔法をかけるのが得意でしたね。    この魔法は、いつか溶けます?    
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