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「花咲里?」
「……一緒に」
「え」
「一緒に……浴びない?」
「?!」
(な、な……なんだこれ?!)
まだ幸せなひと時が続いているのか?! と驚きながら花咲里の顔を見つめる。花咲里は恥ずかしそうな仕草をしながらも握った掌に力が入ったのが分かった。
「嫌なら──」
「嫌じゃない!」
「!」
俺はすぐさま立ち上がり、気が付けば花咲里を抱き上げていた。
「ちょ、れ、蓮?!」
「一緒にシャワー、浴びよう!」
「わ、分かったから下ろしてよ!」
「嫌だ。このまま浴室まで行く」
「は?! や、恥ずかしいよ!」
「誰も見ていない」
「そうだけどっ」
いわゆるお姫様抱っこというものをした。何故こんな俺らしくもない恥ずかしい真似が出来たのか俺自身分からなかったが、兎に角恥じらいながらも『一緒に』と言ってくれた花咲里を強く抱きしめたくて仕方がなかった。
見た目通り程よい重量感とどこもかしこも柔らかい花咲里の体に鎮まっていた其処が再び熱くなるのを感じた。
(おい!)
自分の気持ちと裏腹に反応する男としての欲の強さに辟易した。
散々花咲里を味わい、全てを食らい尽くし満足したというのにこれはなんだと思わず顔をしかめた。
「なんで怒っているの」
「──え」
顔をしかめた俺を見て花咲里が訝しんだ。
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