spicesugar 第九章

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いつもの起床時間よりも10分ほど早くに目が覚めた。 「……」 隣で眠っている蓮の寝顔を見ながら頭の中では昨夜のことが再生され続けていた。 (なんか…………凄かった!) 初めての経験。 初体験。 結婚しないと決めていた私にそういうものを迎える日が来るとは到底思わなかった。だってそういうことは結婚した人とすることだと思っていたから。 だから無茶苦茶な流れで蓮と結婚した時は少しだけそれが頭に(よぎ)った。私、この男とするのかな──なんて。 今では人並みに夫婦の営みを経験出来たことが幸せだと思っているけれど。 (だけど……想像以上だったなぁ) まさか夫婦の営みなるものがあんなに……… あんなに─── (気持ちがいいものだったとは!!!!!) 頭でっかちに知識や妄想だけはあり、初めての時は泣き叫ぶほどに痛くて裂けちゃうんじゃないかという怖いことばかりを想像していた。 だけど実際は想像していたよりもとても気持ちのいい行為だった。寧ろ気持ちがよ過ぎて少し大胆になってしまった私自身に驚いた。 (なんだろう……これって私が変態だから……なのかな?) 自分では知らなかったふしだらな面がこの機会に開花してしまったのだとしたら恐ろし過ぎる。 (こんな変態、蓮に嫌われるかもしれない!) ほんの数十秒の想像でゾッとしてしまった。
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