spicesugar 第九章

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しかし冷静になって考えてみるととある疑問も浮かんで来た。 (蓮……初めてなのになんであんなに) 上手だったのだろう──なんて考えてハッとした。 (なんで私、蓮が上手だって思ったの?!) そこを疑問に思った流れを考えると大層恥ずかしい理由に行き着く。 「………やっぱり私」 包丁片手にボソッと口に出てしまっていた。そうして弾かれたように包丁を置き携帯を手に取った。 【男性 初めて 上手い】 そんなキーワードを入力して検索を開始した。しかし私が知りたい内容のものは中々出て来ず、スクロールを続けていると不意に目に留まったものがあった。 【童貞男性がやりがちな失敗】 (失敗……) それは即ち成功の反対。つまり其処に書かれている行為をしていなかったら蓮は上手いということになるのではないかとドキドキしながらタップした。 結果は──…… (全部当てはまっていなかった!) 思わず赤面してしまうような内容だったにもかかわらず、昨夜の蓮の行動と比較してみるとものの見事に蓮は何ひとつ失敗していなかったということが分かった。 (凄い……凄いよ、蓮!) なんだか疑問に思っていたことをすっかり忘れ、うっすら感動までしていた。 だけど其処にはひとつだけ確認のしようがないことが書かれている文章があり、それを知った途端不安な気持ちになってしまった。
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