spicesugar 第九章

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勿論、いくらそういう方面に疎い私でもコンドームが何かということくらい知っている。 赤ちゃんが出来ないように避妊するための大切なもの。赤ちゃんを望まない人にとっては必要不可欠な避妊具なのだ。 だからこそ恥ずかしいという気持ちはこれっぽっちもないのだけれど。 (まぁ、それは横に置いておいて) 蓮がどうしてそう恥ずかしがっているのか分からないけれど、話を先に進める方が私には重大だった。 「どうしてコンドーム、しなかったの?」 「た、頼む。せめて……ゴム、と言ってくれないか」 「?」 「頼む」 「……」 私が『コンドーム』と言う度に顔の赤さが増す蓮に懇願されて仕方がなく『ゴム』と言うことにした。 「それで、どうして蓮は昨日ゴムを──」 「怒っているのか」 「は?」 「その……俺がしなかったことを」 「……」 顔を赤らめていた蓮の顔が徐々に強張って来ているのが分かった。それを見て(何か怒っているように思えたのかな)なんて思ってしまった。 言っておくけれど私は何も怒ってはいない。というか寧ろ、蓮が何故そんな風に思うのかが分からず、中々本題に辿り着かないことに対しては苛々していた。 (もう、単刀直入に訊いてしまおう!) 回りくどい訊き方をしているのかもしれないと思い、私は何故そんなことを訊いたのかをズバッと告げた。
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