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この強面のせいで年相応に見られることはあまりないのだが、この年配の女性には俺が若い子として映っているのかと思ったらなんだか嬉しくなった。
(この人、絶対いい人だ!)
俺の中でこの店員はいい人認定された。
「此方にございます」
「?!」
店員に案内された其処で盛大に面喰ってしまった。
(こんなに種類があるのか?!)
カラフルなパッケージが並ぶ其処は一見してそれだと分かり辛かった。しかし箱に書かれている文言を見ればそれなのだと分かるが……
(一体どれがどう違うのか)
こんなにも種類があってはどれを花咲里に使っていいのか分からない。
困惑しながらもいくつか手に取ってしばらく考え込んでいたのだが、またしても付き添ってくれた店員が話しかけて来た。
「お兄さん、見かけと違ってお優しいんですね」
「……は?」
「だって真剣に選んでいるじゃないですか。それってお相手のことを考えてどれにしようか悩んでいるんですよね」
「……」
(なんだこの店員は!)
どうして俺の考えていることが分かるのか不思議だった。
「普通の子は兎に角薄いの優先で買うか、どれでもいいからととっとと決めて買われて行くんですよ。その点お兄さんはじっくりと吟味されているから」
「……どれを使ったら妻を気持ちよくさせられるのか」
「へ?」
「あ……いや! その──」
何故かこの店員に何もかも相談してしまいたい気持ちになり、引き続き戸惑ってしまったのだった。
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