最後の葉が散るまでに （ゆっくり修正中）

＊ prologue ＊

　この街にあるジンクス。

〜〜　街の中心にある『恋銀杏通り』と呼ばれている並木道のイチョウの葉が全て散る前に、想いを寄せる人同士がその道を歩くと二人の願いが叶う　〜〜

　雑誌でも紹介されるほど人気のこのスポットは、間宮茜の家の近くにある。言い伝えにあやかりたいと、秋になると他県からもよく観光客が来て賑わう。その通りは仲睦まじく肩を寄せ合うカップルばかりになるのだ。

　茜は小さい頃からずっと羨ましく思っていた。
幸せそうな恋人達の姿を見ていると、こちらまで幸せな気持ちになる。

『いつか私も、大好きな王子様と歩きたい...』

いつしかそう願うようになり、想いはどんどんと膨らんでいったーー。