49人が本棚に入れています
本棚に追加
アイドルとしての苦しみ
ある日、祐輔は優菜に
悩みを打ち明けていました。
それは、自分がアイドルであるために
いろんなことで締め付けがあるのが
苦しいと言ったのです。
「アイドルであることを取っ払って、
おまえと自由に会いたい」
優菜には、わかっていました。
祐輔は、自分がアイドルであるために
自由が束縛されて苦しいのだと。
こうして、ラブホテルでセックスをして
気持ちを紛らしていることも。
「優菜、オレはおまえといたい。
オレをアイドルではなく、
一人の男として愛してほしい。
いつまでも、オレのそばにいてほしい」
「祐輔、私はあなたがそばにいて
くれるだけでいい。それで幸せだから」
「優菜、おまえとこうして
二人きりになれるなら、どこでもいい。
こうして、おまえとセックスできた。
もうオレたちは、離れられないんだよ」
「祐輔、愛しているわ」
「オレも愛しているよ、優菜」
優菜には、祐輔の気持ちが
痛いほどわかっていました。
祐輔を、一人の男性として愛してほしい。
その苦しみが、軽くなるのなら
受け入れよう。
今の優菜にできることは、
祐輔の気持ちを軽くすることだから。
そう信じて祐輔についていこう。
そして、祐輔自身は優菜にセックスで
悲しい思いをさせたくない。
そう思った祐輔は、
セックスの時に避妊をしていた。
やがて、交際をしてから
2年が過ぎようとしたある日、
祐輔も、優菜も、お互いに結婚を
意識するようになっていた。
しかし、祐輔は高校3年生で進学をして、
芸能活動をするのか騒いでいたが、
祐輔自身は進学はせず芸能活動だけで
やっていくと指針が決まったようだ。
この時、祐輔は17歳になり
優菜は20歳になっていた。
祐輔の両親は、優菜と交際をするように
なってから、祐輔が朗らかになって
いったのがわかっていた。
祐輔の父親が、優菜の父親を訪ねた。
「今日は仕事ではなく、
祐輔の父親としてお願いにきた。
お宅の会社と取引をさせた縁もそうだが、
息子がお宅の娘さんとお付き合いを
するようになってから、息子の顔が
生き生きとしてきましてね。
お宅の娘さんは、大学生であと2年
卒業までかかる。
できることなら、大学を卒業してから
お宅の娘さんを息子の嫁として
迎えたいと考えている」
「確かに娘は、お宅の息子さんとは
仲がいいが、大学を出たばかりでは
世間を渡っていない時期になる。
嫁として嫁がせるならば、2年は
世間を渡ってからでよいと思っている。
それに私は結婚を考えるのは、
二人に任せようと思っている」
「確かに、キミが言うのが
一番かもしれない。できることなら、
祐輔には優菜さんと一緒になって
幸せになってほしいと私は願っている」
「それは、私も娘には
幸せになってほしいと願っている。
結婚をするのは、娘であって
親の私がとやかく言うことではない。
娘が、お宅の息子さんと結婚をしたいと
願っているならば私たちが
何かと力になろうじゃないか」
「そうだな、二人のために
何かの力になろう。
祐輔が、優菜さんと幸せな家庭を
築けるのならば
何かの助けをしていこう」
こうして、祐輔と優菜の
それぞれの父親が結婚について
バックアップすることを約束した。
やがて、二人が結婚という未来に
向かって進んでいこうとしていた。
最初のコメントを投稿しよう!