二つの手紙

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 私の彼氏は、宗田くんといい、朝妻くんの中学時代からの同級生だった。  そして朝妻君の彼女は、チカという私の数少ない友達だった。  チカがよく、 「ねえねえ、朝妻くんと宗田くんて仲いいんでしょ? 千冬も一緒に、皆で遊ぼうよ」 などと言ったものだから、四人で出かけることが増えていった。  確か、一年近くそんな関係を続けていたと思う。  四人という単位は、私にとって意外に居心地がよく、宗田くんと二人で会うよりよも緊張しないこともあって、ありがたくダブルデートを毎週のように設けていた。  それが辛くなってきたのは、秋が近づく頃だった。 「どうかしたのか?」 と、何度も宗田くんに聞かれた。その度に、 「なんでもないよ」 と嘘をつくのが、なおさら辛い。  四人の関係は何も変わらない。ただ私が、チカと腕を組んで歩く朝妻君を見る度に、目を背けずにはいられなくなった。  二人が笑っている顔を見ると、つい目を閉じてしまう。そしてまた、 「なんでもない」 嘘をついてしまう。  ただ、耐えればいいと思っていた。この四人が永遠に続くことを願っていた。自分さえこの痛みを誰からも隠し通していれば、皆が幸せになれると信じていた。  あの日までは。
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