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終章
アフガニスタン東部のダラエヌール渓谷の村民およそ1000人が、日本のN医師を現地代表とするNGOのスタッフとして働いていた1人の青年の葬儀に集まりました。
青年は朝方、現場に車で向かっていた途中、武装グループに拉致され殺害されました。
彼は兄弟のように尽くしてくれた
………
集まった村人たちは、彼の死を悼みました。
あの少女は、ダラエヌール渓谷にあるNGOの試験農場に広がる、大好きな黄色の菜の花畑へ向かいました。
その日も、アフガニスタンの灼熱の太陽が、焼き尽くすかのように黄色の菜の花畑を鮮やかに煌めかせています。
この菜の花畑は、殺害された日本人の青年が、菜の花はやがて肥料となり肥えた土壌つくりに適しているはず、貧しい村民でも負担なく肥料が得られる、と試験的に植えたものでした。
少女は、ひとりで眩く光を浴びた鮮やかな黄色の菜の花畑を走り回り、やがて歌をうたいながら菜の花を摘んで行きます。
彼の墓へたむける花を…
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