プロローグという名の説明

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何故オネエを演じているのかというと、俺は昔からよく男に尻を狙われた。中学は共学に通っていたが、男共は女子なんてほったらかして俺の尻を追いかけていた。 それを必死に守り続けた中学時代。青春なんてすることなく、俺の女の子とイチャイチャするという夢は儚く散っていった。 高校で同じ思いをするのは絶対に嫌だ。だから俺はオネエを演じて女子と仲良くなろうと思った。なのに家の事情で寮入りしなければならなくなって、父の知り合いが理事長を務めていて安心だからという理由でこの学校に通うことになった。学力的にも問題ないし。 そんでもって、何故俺がチワワでもチャラ男でも親衛隊でもなくオネエなのかというと理由は幾つかある。 まずは顔立ちだ。俺の顔立ちは簡単にいえば美人、細かくいえば睫毛びっしりの少しだけつった目。日本人にしては高い鼻に薄い唇を持った美人。ナルシストとか言うな、自分の顔が好きで何が悪い。 チワワは可愛い系でチャラ男はイケメン系だから合わないし、何よりそういうビッチだったりチャラ男だったりというキャラはボロが出やすい。噂を流しても実際にアクションを起こすわけじゃないから信憑性は低いしいつかバレそう。 次に親衛隊はまあ顔立ち的に問題がないと思うが、俺は低血圧だからだ。親衛隊は朝早くから推しが学校に来るのを待機している。美化委員の仕事で前7:00くらいにいやいや学校行くとあいつらはもう既に待機していた。ちなみにHRは8:20からだ。 それにオネエ=愛が重いというイメージが強いからか、襲われたりすることはなくなった。 そんなこんなでオネエキャラを確立していった俺だが、まさか皆の相談役みたいになるとは思ってもみなかったわけで…。 生徒曰く「なんか藍田って話しやすいんだよな〜」とのこと。ちなみに先生からの相談もたまにある。もちろん恋愛面の。
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