プロローグという名の説明

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そんな俺が通っている私立桃ケ丘学園は腐女子腐男子に有名な学園らしい。なんか同室の奴が言ってた。 ゲイ七割、バイ二割、ノンケが一割しかいないホモ校で教師までも殆どがホモかバイ。 生徒の半数以上がどっかの会社の社長息子だったりどっかの令息だったりするわけなんだがとにかく顔が良い。特質した顔つきでない人もいるにはいるがごく少数。顔が良い奴は親衛隊なんかもある。 そして俺が美化委員長をしている理由もちゃんとある。一年前に卒業した先輩にオネエを演じていることがバレて、バラされたくなかったら美化委員に入れと脅された。先輩が卒業したら美化委員を辞めるつもりでいたのに何故か二年生になった時副委員長に推薦されて、辞めるに辞められず今に至る。 美化委員は学校の清掃や花の管理が主な仕事で、行事のあとの後始末も美化が行っている。暇そうに見えてわりと大変だ。それに加えて俺には放課後の相談室もあるわけだから、よく自分でもやってるなと感心する。 オネエキャラなんてするもんじゃなかったかもなー。もっとなんか孤立するようなキャラにするべきだったかな…なんていつも考えているが時すでに遅し。 ちなみに俺の素を知っているのは、今は学校内に二人しかいない。二年間過ごして四人しかバレなかった。すごくない?演技の才能ありあまりすぎじゃない? そんなことを考えているとまた一人、美化室に相談室の利用者が入ってくる。 「あら、花巻ちゃん。今日はなんの相談かしら」 「えっと、実は前お話した彼と付き合うことになって…!!」 真っ赤な顔をしながら言ってくるチワワに内心吐き気を覚えながら「おめでとー!」と胸の前で高速に拍手する。 他人の悩みを聞くのも美化委員の仕事をするのも嫌だけれど、まあそこまで学校生活は悪くない。
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