イカれたメンバーを紹介するぜ!

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17:00を回ったので今日の相談教室はもう終わり。廊下に並んでいた悩める子羊たちは帰っていく。それから美化委員の仕事をしていると、誰かが美化室に入ってきた。 「まだ仕事をしていたんですね」 「佐倉ちゃん、どうしたの?」 「少し相談したいことがあるのですが、時間外営業はしていませんか?」 佐倉…佐倉彩芽は風紀委員会の副委員長を務めている高校二年生だ。ちなみに俺は殆どの生徒をちゃん付けしている。あぁでも、心の中でくらい素でいたいからモノローグでは苗字で呼ばせておくれ。 「まぁ、本当はダメだけど特別にいいわよ。そこに座って、紅茶で良いかしら」 「あっはい、お構いなく」 佐倉はそっとソファに座って美化室のキョロキョロと見ている。風紀室と造りは同じだがオネエキャラを通しているから少し乙女チックに仕上げているからだろう。 「どうぞ」 佐倉の前に紅茶の入ったカップをことっと置く。時計を見るともう18:00過ぎていた。きっと同室者が心配しているだろうから一応メッセージにスタンプだけ送っておく。 佐倉は紅茶を一口飲んで深呼吸してから俺の目をまっすぐ見てきた。 「それで相談したいことなんですけど…。実は僕、桐ヶ谷先輩のことが好きなんです!」 少し照れながらそう言うの本当にやめてほしい。こっちまで恥ずかしくなるじゃんか、嫌じゃんか。 ってか佐倉は桐ヶ谷が好きなのか…うーん以外。桐ヶ谷俊介は風紀委員会の委員長を務めている男だ。佐倉は美人系だけど結構チワワみたいな可愛い子が好きなのかと思っていた。桐ヶ谷は可愛らしさなんて欠けらも無い、長身切れ長イケメンだ。 ちなみに俺はあまり桐ヶ谷が好きじゃない。
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