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車を駐車場に停め降りるとそこに十年前前と全く変わらないログハウス風の建物があった。
「うぁー見てよ秀二。昔と全然かわってないね」
「あぁ、本当だな」
入り口に向かうと見覚えのある重厚な木の扉がある。その時、普段そんな事を絶対にしない秀二がドアを開け「どうぞ」とキザな行動に私は、頬を緩め「ありがとう王子様」っと言って少しちゃかしてみると、秀二は照れを隠すように早く入れと背中を押し促した。
店内に入るとログハウスの造りをいかした暖かみのある空間にグランドピアノの旋律とランタンや蝋燭の淡い光が散りばめられ幻想の世界に入り込んだようだ。私は忘れかけていた心の中の火が少し大きくなったのを感じた。
目を爛々と輝かせ店内を見渡していると店の奥からウェイターがやって来た。秀二が私の前に出ると名前を伝えると「あっ武野宮様ですね。お待ちしておりました」といって席に案内される。
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