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秀二は興味なさげに緩慢な動きで私の後ろを見ると目の色がみるみる変わっていく。
「ねっ!ね?プロポーズだよ?他人のプロポーズってなんかワクワクしない?」
嗚咽する声と共に『お願いします』と伝えると奥から店員が二人のウェイターが出てきた。一人はケーキともう一人は薔薇の花束を持っていた。
私はわぁーと言う口を開けてわざとらしくエア拍手をしながら秀二を見た。
え?なにその顔?
秀二はいつも以上に間の抜けたような顔で後ろの様子を食い入るように見していた。
「ちょっ。そんな顔で見ないで。見るならさりげなく見てよ」
そう促すが旦那は一向に表情を変えない。それどころか口は、大きく開き挑発てきな表情になっていた。
「いやいや、気になるのわかるけどさぁ。その表情は、ちょっと不味いって」
すると旦那が何かをぼそりと言ったので耳を近づけてみる……
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