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受け取った手紙を開くアル。
【アル捜査官へ。先日はお世話になりました。アルさんのお陰でスピカの問題は解決し、今ではアメリア星人の方々と共存しています。アルタの行動は正直とても悲しいです。あの司祭と神父さえいなければ…。
しかし、スピカの住民は皆、アメリア星人と繋げてくれたのはアルタだと言って崇めています。共存にはまだまだ課題が残りますが、アルタの意志を尊重しつつ頑張っていきます。お時間があるときにでもまた遊びに来てくださいね】
「エリ…」
「確かに、少女の死は最悪の結末だが、共存のキッカケになったなら無駄では無かったと…考えているみたいだな…」
「うん…。悲しいけど、それがアルタの意志なんだ…」
アルの顔が元の表情に戻った。
「これからどうする?いつもの生活に戻るか?」
「まぁ、新発売のゲームを買って、事件解決で小遣い稼いで…。たまには地球人も助けて…て感じかな」
アルは、軽く手を振って階段へ姿を消していった。
その後ろ姿を見守るガイア。
「お前さんみたいに人助けをする「watch」は出会ったことがない。まったくたいしたもんだよ」
数日後…
フラッシュタウン外れの墓地で、殉職した捜査官たちの葬式が行われた。
フラッシュタウン署所属の捜査官たちとアル、そして半身に重度の火傷を負ったマーセナルが参列し、冥福を祈った。
1ヶ月後…
フラッシュタウン墓地…
花束を持ったアルが、手を合わせながら殉職者の墓を回っていた。
遠くからアルの姿を見ていた墓地の警備員がこそこそと話し始める。
「またあの金髪の女だよ」「毎日来て飽きないのかね」
アルは手を合わせながら心の中で思う。
{許してくれとは言わない…。これはアタシ自身の罪として、これからも続けさせてください}
フラッシュタウンにいつもの日常が戻ってきた。
署には新人捜査官が数百人ほど入り、レオは教育担当となる。
検視官長が定年退職を迎え、マリクが検視官長に就任。
ガイアは、相変わらず現場を走り回る忙しい日々を送っていた。
万博事件から半年…
アルは、いつものゲーム屋に並んでいた。今日は「マッドネス(オンライン格闘ゲーム)」の最新作「マッドネス プロフェッショナル」の発売日だ。
アルの専用端末にガイアから電話が掛かる。
『ガイアだ!9番地区2-1で異星人の死体が発見された。手を貸してほしいんだが…』
{…はぁ、ゲームはお預けか…。}
「はいよ…ちょっと待ってな…。今行くからさ」
「マッドネス」を一旦諦めて、事件現場へ向かう………
END…
あとがき
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。今回、人生で初めて長編の小説を書いてみました。イメージだけで終わらず、このような形に残す事はとっても大事なことだし、何より楽しいと思いました。
新しい趣味が増えて毎日が充実しました。
これからも活動は続けていくので、お時間、お心の余裕がある時にでも読んでやってください。
それでは……
むーちょ
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