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また別の日には、ヒナちゃんは道端で見つけた昆虫を拾ってきて、ずーっと観察していた。
ただ、クラスの女子が「気持ち悪い」と騒ぎ出して、私はヒナちゃんがしたい事をみんなに話したが、結局昆虫は先生に取られて捨てられてしまった。
ヒナちゃんは問題児という子だと思う。
協調性がなくて先生やみんなをしょっちゅう困らせているし、理解できないことをいっぱい言ってくるし、表情もほとんど変わらないから何を考えているかわからないし。
そんなヒナちゃんと、私は一緒にいなければならなくて、ヒナちゃんと周りの仲を何とか保たせている。
「ツッキーって優しいよね。山西さんにも声掛けてさ」
「山西って空気読めねぇよな」
「ああいうの、ジコチューって言うんでしょ?一緒にいるツッキーはすごいよ」
みんなが、そう評価してくれる。
また別のテストが戻ってきた。ヒナちゃんはまた私の元にやってくる。
「何点だった?」
「90点。ヒナちゃんは?」
「私は94点」
「……そっか」
アイちゃんたちよりも高い点数だけど、私にとって問題なのは、ヒナちゃんより高いか低いか。
「無かった事にしよ」
ヒナちゃんからの提案に、私はビックリしながらも乗った。
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