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家に帰っていつものように先に宿題を片付けて、ヒナちゃんと遊ぶ。
ママが買い忘れとかで出かけていったが、その間も何の問題もなかった。
しかし、帰ってきたママの言葉に私は心臓が止まりそうになった。
「お店でね、アイちゃんのママに会ったの。今日、テストが戻ってきたんでしょ?ツキコ達の点数が良かったって聞いたんだけど、本当?」
私は自分のテスト用紙を見せる。
90点の文字。
だけど、ママはそこには触れず、ヒナちゃんの答案用紙も見せるよう要求する。
ママは私よりも高い点数を見て、「2人とも頑張ってるのね」とだけ言い捨てて、無言で食事の準備を始めた。
思い返せば、私の評価はいつだって、ヒナちゃんよりできているか、できていないか、とか、ヒナちゃんがいるから優しいだの、協調性があるだの言われている。
この間の理科の授業。
月の光は太陽の光だと聞いて、私の光、私の評価もヒナちゃんという存在を通して光っている気がした。
私って何なんだろって思ってしまった。
私の元々の価値はどこにあるんだろうって。
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