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煙草の先端に、赤い光が灯った。
紫煙を吐いた横顔に、私は見惚れる。
「どうした?」
視線に気づいたのか、彼は穏やかに微笑んだ。煙草をくわえると、左手で私の頭に触れにくる。
頭を撫でられながら、私は思ったことを素直に口にした。
「考えてた。ツキが煙草吸うとき、どうしてこんなに素敵に見えるのかなって」
「そうか。なんでだと思う?」
「うん。ツキが好きなこと、楽しんでるからかな」
苦笑していたツキは、ちょっとだけ驚いたように見えた。だが、すぐにその口元へは煙草が運ばれ、表情は掌で隠されてしまう。
そんなに変なこと、言ったかな。
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