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エピローグ
「(ど、ど、どうしよう……)」
「西崎さん、それで話ってなに?」
「あ、あ、ええと……」
みはるはドキドキが止まりません。
『日本航空518便は、これからご利用のお客様を機内へとご案内いたします』
「……」
「……?」
無言のまま2人は向き合い、時間だけが過ぎていきます。
『日本航空518便は、ただいま後方座席のお客様を機内へとご案内しております』
「……、あ、あの……」
「……、西崎さん?」
『日本航空518便は、ただいまからすべてのお客様を機内へとご案内致します』
もうすぐ飛行機が出発します。時間がありません。
「ごめん、そろそろ行かないと!」
優希が飛行機に向かおうとしたその時、
「わ、私、ゆ、優希先輩のこと、ず、ずっと、好きでした……」
やっと伝えた告白。すると、
「……、ぼくも、だよ」
そしてみはると口づけを交わし、優希は手を振って機上の人となりました。
ややあって、康永と佳奈が近づいて来ました。みはるは二人を見つけると、泣きそうな顔を見せて、深々と頭を下げました。
「やったんですね!」
「やりましたね!」
二人の祝福の言葉に、みはるは、
「あ、ありがとう……」
あとは言葉にならなくなってしまいました。
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