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終幕
「嶋田先輩、あの……」
「突然申し訳無いけど、キミの本当の気持ちが知りたいんだ。ぼくには彼女なんていないけど、プロローグからエピローグまでひととおり読ませてもらったら、あの小説の設定は完全にフィクションって訳でも無さそうだからね」
突然の出来事に、みはるはしどろもどろながらも言葉が出てきました。
「あ、あの……、好きです。けど、この気持ち伝えたら、先輩と後輩の関係が崩れちゃうんじゃ無いかって思うと、怖くて」
そういうと、優希は少し下を向いて。
「それは、ぼくも同じかな。まあ、女性として意識しだしたのは、大学に入ってからだけど」
「え……?」
思いもよらない答えにみはるは焦りました。
「あ、あの、でもまだ、恋人になる決心がつかなくて、その……、お友達になりませんか?」
「お友達、か。面白いことを言うんだね。でも、いきなり恋人同士になるのも気恥ずかしいし、遠距離だもんね。いいよ、それで」
その時、ドアの外から、
「もう、付き合っちゃえばいいのに!」
佳奈の声が聞こえて来ました。それを聞いたみはるはドアを開けて、
「こらっ! 盗み聞きするんじゃないの!」
と、しかったところに康永が現れました。
「嶋田先輩来てたんだ。お久しぶりです。って、なんか雰囲気がいつもと違うような」
「あ、白井先輩、西崎先輩と嶋田先輩が付き合うことになりまして」
「「まだ付き合ってなーい!!」」
そういうみはると優希だが、何故か2人は手をつないでいたのだった。
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