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初めて入った他人の体内。温かい肉にすっぽり包まれる感覚はあまりにも気持ち良くて、すぐには出たくない。
(ごめんなさい、ごめんなさい、藤さん……!)
心の中で謝りながら、尚太郎はゆるゆると腰を動かしだす。本当はガンガン突きたいが、それはさすがに申し訳ないので、藤にあまり負担をかけないよう気遣いながら、そろそろと肉壁をなでていく。途中にしこりのようなものを感じたので、なんとなくそこを圧してみると、藤がびくっと身体を竦ませた。
「ん! ……はっ、なんだっ、これ……!」
「えっ、ごめんなさい! 嫌でした?」
「いや、悪くない。新鮮な、刺激だ……ッ、ふぁっ、あっ、」
鼻から抜けるような声を発して、藤はこれまで感じたことのない刺激に身悶える。にじみ出た腸液とクリームが混ざった粘つく水音に混じって、内部に入り込んだ空気がプスプスと抜ける音がする。それがやけに卑猥で、生々しくて、自分が抱かれていることを強く意識する。
(まいったな、こりゃ……)
尚太郎と繋がりたい気持ちで強行したけれど、男のものを受け入れたことはないので、いざやってみたら痛みや不快感でたちまち萎えるかもしれないと思っていた。それならそれでいい、快感なんてなくても、尚太郎と繋がれたら満足だ。自分が萎えても、尚太郎さえ勃っていれば行為は続けられる。
けれど実際は、萎えるどころかどんどん昂っていく。尚太郎が丁寧にほぐしてくれたおかげで痛みも不快感もない。内側から圧迫される苦しさはあるが、それが切ないような甘い疼きを生んでいる。
「藤、さん……っ、」
熱っぽく潤んだ尚太郎の瞳を見るだけで理性が吹っ飛びそうだ。血管までゾクゾクする。
「あっ、ペガサスレイン……じゃなかった、尚太郎……っあ、はっ、」
尚太郎の背中をつい引っ掻いてしまいそうになり、はっとした。大会前の選手の身体に傷はつけられない。惜しみつつ尚太郎の背中から手を離し、代わりにシーツを力一杯握りしめる。
「っ、は……んっ、ああっ、ん、」
(藤さん……)
筋肉の付き方は人それぞれ違う。藤はとりわけ大胸筋が発達しやすいらしい。脂肪の代わりに筋肉がたっぷり乗った胸が、突くたびに揺れる。
隠毛をほとんど剃ってしまったので、繋がっているところが丸見えだ。肌の密着度も高い。くっついて離れるたびに藤の尻たぶがうっすら赤く染まっていく。尚太郎の大ぶりな袋が揺れてぶつかり、さらに色づいていく。
生まれたままの姿を惜しげもなくさらしてその強靭な身体のもっとも弱い部分を自分に許してくれる藤。表面の硬い筋肉とは裏腹にとろけそうなほど柔らかな肉ひだで自分を包んでくれる彼に、たまらないほどの愛しさを覚えた。
衝動のまま、がっつくように藤の乳首にむしゃぶりつく。フーッ、フーッ、自分の獣のような息遣いが鼓膜の中に響く。そこに藤のあえぎが混じる。
たくましい雄を組み伏せて、その身体を征服していく。その圧倒的な支配感にテストステロン値がぐんぐん上がっていく。発情した雄の匂いが互いの身体から立ち上る。
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