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強烈な刺激に、精嚢がビリビリと震える。
「うあ、……ごっ、ごめんなさい、藤さん! ぼ、僕っ、もう出ちゃいそうですっ!」
「は? もう?」
「だって、気持ちよすぎて……耐えられ、ない……ん、あぁっ!」
「まったく、これだからチェリーくんは」
「お、おねが、どいて、僕の上から、どいてくださ、」
「やだ。イクんならさっさとイケよ」
「だめっ、どいて……ふ、藤さんの中に、出ちゃいます……ッ!」
「いいから出せよ」
「ンッ、だめ、です、そんな……ッ、」
「おまえのプロテイン、くれよ」
藤の指先が、尚太郎の下腹部に浮かび上がった血管を、つぅっと撫でた。
「うあ、い、いく、イク、イッ……! あっ、あ、んんんっ……!」
勢いよく爆ぜた尚太郎の熱を身体の奥で受けて、藤の背がびくん! としなった。股間からは何も出ていないが絶頂を迎えた感覚がある。初めてのドライオーガズムに潤んだ目で、尚太郎を見下ろす。
「っ、はぁ、とんだ早漏くんだな……いまの俺は体力落ちてるから、丁度よかったが……」
「……は、初めてだったんですから、仕方ないでしょう。……つ、次は、もっと長く保たせます」
藤はにやりと口端を吊り上げると、「ん、……ッ、」小さくうめいて尚太郎の上からどいて、その隣に寝転んだ。
「減量期でない俺は絶倫だから満足させるのは難しいと思うが、まぁ頑張れ」
間近にきた藤の顔を、尚太郎は頰を赤くして見つめる。
(「次は」を拒まれなかった。ってことは、次も、あるんだ……!)
「ま、任せてください、藤さん! 僕、次こそあなたを、ま、満足させますっ! ……って、あれ?」
藤はまぶたを閉じて、すぅすぅと静かな寝息を立てている。
イチャイチャする間もなく寝られてしまい、がっくりした尚太郎だが、疲労の色が濃い藤の寝顔を見ていると、そんなことどうでもよくなった。
(本当はすごくきつかっただろうに、頑張って受け入れてくれたんだな……僕を煽ったのも、早く終わらせるためだったのかもしれない。そういえば、藤さんは射精してない。なにも出ないほど身体が枯渇してるのかもしれない。……もしくは、僕が下手でイケなかったのか……次はもっと頑張ろう)
伏せられた長いまつ毛。筋の通った高い鼻。やや厚めの唇。見ているだけで愛しさがこみ上げてくる。その感情のままにキスしたかったが、起こしてはいけないと思いとどまった。ベッドの端に畳み置かれている掛け布団を広げて藤に掛け、その隣に収まり、目を閉じる。
初体験の高揚が心に、余韻が下半身に残っている。その熱に苛まれて眠れないかと思ったが、減量漬けで尚太郎も体力が落ちていたので、すぐに寝落ちした。
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