あきらとベスパとネガティブ禄ちゃん

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「あきらちゃん、いい加減起きてよお……」  教室の窓から温かい日差しが降り注ぐなか、聞きなれた甘ったるい声があたしの鼓膜に届いてきた。 「う、うーん、あと5分だけ……」 「あと5分って、これでもう3回目だよ。ねえ、お昼ごはん行かなくていいの?」  えっ、もう昼? ずっしりと重い瞼を開くと、目の前には幼馴染の萌理が呆れ顔を浮かべていた。眠気眼で教室の時計に目を向けると、確かに時刻は正午を示している。
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