あきらとベスパとネガティブ禄ちゃん

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「いらねえ、そんなもん」  あたしは幼馴染の優しさをやんわり(・・・・)断ると、リュックサックに放り込んでおいたポケットティッシュで口元と机に出来た小さな水たまりを拭いた。 「よっしゃ、これでOK。さてと、今日の昼めしはどうする?」 「あきらちゃんと一緒なら、あたしはなんでもいいよー」 「あんた、またそれ?」  萌理は昔から ”なにを食べる” よりも ”誰と食べる” に重きをおく子だった。あきらちゃんと一緒なら、あたしはその辺に生えてる雑草にマヨネーズでも充分イケるよ、と以前に言ってほどだ。そんなことを思いつつ本日のランチメニューを考えていると、ジーンズのポケットに入れてあったスマホが振動を始めた。
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