第二章 最悪の休日

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それから、しばらくして、美奈子の通報により警官がひったくり犯を逮捕した。 「イヤー、それにしても、連続ひったくり犯の逮捕にご協力ありがとうございます。」 「あっ、いえ。」 敬礼する警官に美奈子は少し戸惑った。 「後の事は全て本官にお任せください。」 「分かりました。」 警官犯人の足に巻き付かれてあるタオルを外し手錠をかけようとするも、ひったくり犯は逃走をはかった。 「あっ、コラ待て!!」 なんともマヌケな警官に呆れる美奈子はカバンが汚れているので犯人の足に巻き付かれてあった、スポーツタオルで拭こうとしていた。 「あれ、このタオル・・・」 Swansと書かれたそのスポーツタオルは昨シーズンオフに球団関係者が選手全員にプレゼントした特注タオルだった。 しかも、そのタオルは選手の背番号とイニシャルが書いてあった 「No.11H.S……!?」 美奈子は思わずうれしくなりタオルをギュッと抱きしめた。
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