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帰宅した原田は、シャワーを浴び、紺のポロシャツに短パンというラフな私服に着替えていた。
「全く、せっかくの休日だって言うのにひったくり犯と出くわすなんてついてないよ。」
すると、その時、携帯が鳴った。
テレビの音量を下げ着信画面を見ると猿江監督と書いてあった。
「もしもし。」
「お~原田。俺だ。」
「監督、どうしたんですか?」
「いや、昨日、一つ言い忘れてたことがあってな、明日、『月刊スワンズ』の選手一問一答コーナーでのゲストとして記者との対談に応じてくれ。」
いきなり、明日と言われ原田は動揺した。
「えっ、そんな~、聞いてませんよ!」
「だから、こうして電話で謝ってるんじゃないか。」
「いや、そう言われても……あの~、他の人に代われませんか?」
「無理。」
監督は原田の頼みを即答で断った。
「えぇ!?」
「聞かれた事を答えれば、大丈夫だよ。一人前のプロ野球選手ならこういうのもしっかりこなさないと!!じゃあな。」
原田は監督からの電話が切れた瞬間、疲れがどっと出てしまった。
「・・・仕方ない、月刊スワンズを読んで他の人の対談を参考にするか。」
原田はそう言って溜め息をつくと
本棚から定期購読している月刊スワンズの雑誌を取り出し読みかえすことにした。
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