第一章 ヒーロー

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「アウト!!」 主審の判定により試合終了!! この瞬間、原田のプロ初完封が決まった。 原田はウィニングボールをキャッチャーの福田から受け取る。 「良くやったな。」 福田が嬉しそうに喜んでいる。 「全く、最後は本当に冷っとさせるぜ!!」 「お疲れ、ナイスピッチング!!」 原田はナインを始め、監督やコーチらとハイタッチを交しながらベンチの奥へと入っていった。 ベンチ裏 道具の整理をしていた原田は、ため息を突きながら道具を片付けていた。 その時、猿江監督が原田を呼んだ。 「おーい、今日のヒーローはお前だぞ。ヒーローインタビュー受けてこい!!」 「僕ですか?」 原田はかなり驚いた。 「今日のお前は9回のピンチ以外、完璧な投球だったしプロ初完封!!当然だろ。」 「・・・・分かりました。」 ヒーローインタビューが苦手な原田は、ゆっくりとした足取りでグラウンドへと向かった。
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