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「もしもし、智?初完封おめでとう!!」
その声は、親友でもありライバルでもある阪神の瀬川からだった。
「あ~瀬川。ありがとう!!今、関タイ見ていた所だよ。」
「良いよな~お前は、ローテの軸に入って活躍しちゃって。俺なんか、対左投手の時しかスタメンで出れないだぜ。」
瀬川はそう言って原田に愚痴を溢した。
「守備が下手糞なんだよ!守備をあげろよ、守備を!!」
原田は瀬川に言葉の毒を浴びせた。
「うるせぇ!!絶対、今度の神宮でお前から場外弾打ってやる!!」
「ほお~、勿論代打出場でしょ?いいよ。打ち取って、鳴尾浜に強制送還させてあげるよ。」
互いの毒舌合戦に笑いが込み上げてくる二人。。
「それにしても、良いよな~阪和の選手は必ず新聞の1面に載るのにさ、山の手は優勝した時以外は基本的に1面に載らないんだぜ?」
今度は原田が瀬川に愚痴を溢してきた。
「自分の球団を皮肉ってどうする?なんなら阪和に移籍するか?」
原田の皮肉混じりの愚痴を聞き瀬川は悪戯に笑った。
「いや、阪和は辞めとくよ。あのヤジをまともにくらうと寿命が縮まる。」
瀬川の誘いに原田は阪和を皮肉るコメントを残し断った。
「結局は山の手が好きなだけじゃねーかよ!!まぁ、それでこそ、原田だけどな。」
電話越しから豪快に笑う瀬川の声が聞こえてきた。
「まぁ、昔から山の手ファンだったしな。」
「たまには、息抜きに散歩でもしろよ。あまり、神経質になりすぎると体に毒だからな。」
瀬川は神経質な原田を気遣った。
「嗚呼。肝に命じとくよじゃあな。」
原田は電話を切りため息をついた。
「ふぅ~、さて、ジョギングでもしますか。」
原田はそう呟くと黒のフード付きのジャージに着替え、スポーツサングラスをかけて外へと出ていった。
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