4月6日

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4月6日

4月6日  出会いと別れの季節。  ぶかぶかの制服、丈の長いズボンやスカートを履いた新顔が校門前に集まっている。  つい先週にはぼろぼろの制服、丈の短いズボンやスカートを履いた人たちが涙をながしながら、でもなぜか嬉しそうにして写真を撮っていた場所が、強張った表情の、どこか寂しそうな表情の人が写真を撮る場所となっていた。  僕はその光景を見てふと思い出した。  先輩たちが言っていたあの言葉を……。  「平成最後の卒業式……。」  僕はこの「平成最後」という言葉が嫌いだ。 新しい年になるからと言って、世間は何でもかんでもこの「平成最後」をつけたがる。 冬休みもうんざりするほど聞いてきた。 「平成最後の正月、平成最後の紅白、平成最後のガキ使、平成最後の……。」  世間は「最後」という別れの言葉を、なぜか嬉しそうな表情をして使う。  不思議だ……。    
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