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SHRを終えた教室には、雑談する声が飛び交う。
俺が移動教室の準備をしていると、後ろのドアから不意に名前を呼ばれた。
振り向くと、リーダーのノートを顔の横で揺らしてる詩乃の姿。
「マサムネ~! これありがとー」
「…………詩乃、声デカい」
よく通るその声に、近くにいた数人のクラスメイトがちらりとこちらを見た。
そんなことは全く気にしてない詩乃は、
「ね、ね、昨日あの漫画発売日だったよね?
もう買った?」
と机越しに身を乗り出してくる。
「……買ったけど」
「やった~!じゃああとでそっちの家行くね」
「はいはい」
「また夜にね」
満足そうなホクホクとした笑顔で、二つ隣の教室に帰っていく詩乃。
こういう天真爛漫さが、周りから可愛がられる所以でもあって、
俺が……彼女に惹かれてる部分でもあるんだけど。
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