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あれから、画像を転送したり選んだりするのも全部手伝わされて、結局家路につく頃には空が夕焼けに染まっていた。
日が落ちかけたオレンジ色の空を眺めていると、あの日の放課後を思い出す。
俺の呼び掛けに首を傾げて応える詩乃に、気づいたら衝動的にシャッターを切っていた、あの時のこと。
「―――正宗!」
「……へ」
自宅を目前に突然呼び止められて、物思いに耽っていた俺は思わず間抜けな声をだしてしまった。
「詩乃……」
「おかえり。結構遅くまでやってたんだね」
玄関を出てきたばかりの部屋着姿の詩乃は、小さい鍋を手にして俺に近づいてきた。
「今日、正宗んちのおばさんが同窓会で居ないから、ウチで正宗の分の夕飯も作ってたの。
おばさんからカギ預かってたから今届けようと思ってたんだけど……ちょうどよかった。はい、チキンカレー」
「……あ、さんきゅ」
受け取った小鍋から、スパイスのいい香りが漂う。
詩乃んちのおばさんが作るカレーは絶品で、こう言っちゃなんだけど、母さんのより断然旨い。
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