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「詩乃!!」
部活の休憩中で飲み物を飲んでいた詩乃を、大声で呼んだ。
「……っ正宗!?」
驚く詩乃。そりゃそうか、俺学校でこんなデカい声を出したこと、今まで無いかもしれない。
近くにいた部員も数人振り向いて、俺と詩乃を交互に見てる。
「ちょっ……どうしたの、みんなビックリしてるし」
詩乃は慌てて駆け寄ってきて、気まずそうに俺を見上げた。
それもそのはず。俺達が顔を合わすのは、先週家で詩乃に逃げられた、あの夜以来だ。
「部活中にごめん。今度の休みいつ?」
「え……明後日だけど……」
「じゃあその日ここに来てほしい」
俺はルーズリーフの切れ端に殴り書きしたギャラリーの住所を詩乃に手渡した。
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