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う、嘘だろ……
不意打ちすぎて、咄嗟に何も反応できなかった俺。
カッコ悪すぎる。
だけど、こんな大胆なことをしておきながら、肩に触れてる詩乃の指先が少しだけ震えてることに、ふと気づいてしまった。
「詩乃…………真っ赤」
俺が囁くと、うるさい!と顔を覆う詩乃。
そんな詩乃が可愛くて、思わず吹き出した。
二人揃って熱を帯びた顔を、パタパタと扇ぎ合う。
甘い空気はどこへやら……
だけどなんか、俺達らしいや。
ねぇ、詩乃も、そう思うだろ?
――――皆川 詩乃。
俺にとっては一生敵わない相手であり、
そして……
「好きだよ……詩乃」
俺の、いとしいひと。
fin‥*
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