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大切な時期
水無瀬遥希、15歳
高校受験に向けての大切な時期………なはず
私は小さい時から人付き合いが苦手で、いつの間にか引きこもりになっていた
友達がいないわけじゃない。
休みの日はその子に家に行って遊ぶし、もちろん会話も弾む
それでも無理なのだ。大勢の中にいるだけで変な汗と不安が私を襲う
新しい中学に一度転校してみたものの、すぐ行けなくなっちゃったし
だからだろうか、私の顔は新しい中学の子に知られていない
「では、校長推薦という形でお願いします」
ずば抜けて国語の才能があった私は、すでに中学の勉強は終えていた
勉強が嫌いというわけではなかったので、塾へは毎日のように通った
「そういえば遥希ちゃん、このメモを渡しておいてって頼まれたのよ。貰ってくれるかしら?」
「私に、ですか?」
なんだろう、メモって。
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