図書

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━━━━ 2年前 病院 診察室 医師「石上さんは…………あともって8ヶ月…申し訳ない……」 突然の宣告に気が動転する芽依、しばらくすると声を震わせながら医師に問い掛ける 芽依「……私、何か不健康な事しました?ちゃんと処方された薬も飲んでドクターストップかけられて陸上部辞めて…私何か悪い事しましたか?」 医師「…治療に集中してたのはよく聞いてるし先生も実際目にした……でも…本当にすまない…ただ、これはあくまで可能性で余命宣告がはずれるケースもある!だから━━」 芽依「大腸がんは一番死亡率が高いんですよね…そういうの良いですから…病室戻って良いですか?」 医師「…………」 ━━━━━━ 2日後 病室 放心状態のまま窓の外を見つめる芽依 芽依「…」 すると、扉をノックする音が聞こえるとそこには看護士がいた 看護士「石上さん、いつものクラスメイトの娘だよ」 芽依「あっ……お願いします」 看護士「はーい」 ━━━ 2分後 椎名「石上氏ぃいいいいいい妾が来たぞぉ!そして最新巻もってきたぞぉおお!!」 満面の笑みで芽依の元にやってくる椎名 芽依「叫んでるのにボリューム下げる辺りホント偉いと思う」 椎名「そうじゃろ?…さて本題だが、まず異世界勇者の最新巻、んで転生魔王だ!」 芽依「ありがと…いつも通りまだ中は読んでないね?」 椎名「無論!石上氏こそネタバレは厳禁じゃ!」 椎名とは中学の頃からの仲だった、図書室で本を借りようとしたら先に椎名が借りてて、悔しくて椎名よりも早く本を借りたりして…いつの間にか仲良くなってた。 オタク気質でキャラ作りの為か口調も変だけど、自分の意思を曲げない真っ直ぐな性格に惹かれたんだと思う。 ━━━━━ 3時間後 椎名「転生魔王は読み終わりましたかな?」 芽依「うん…てか面会時間大丈夫なの?」 椎名「むむ?…そういえばそうじゃな…いつもは途中で帰らされるのに今日はノンストップであった」 芽依「…」 もしかしたら余命宣告の慈悲か何かか…そう思うと悪寒がした 椎名「石上氏?顔色が優れておらぬぞ」 芽依「……いや…その……物語っていいなぁって……」 椎名「……?何をいまさら」 芽依「その……ほら私病気じゃん?だから動かなくても読めば物語の主人公になれるとか……あとチート能力とか最初から使えてさ!………ね?」 椎名「ふむ…本当にいまさらじゃのう…何かあったのか?」 芽依「…………」 椎名「…流石に友であっても言えぬ事もあるよの…すまぬ…」 芽依「……私、死ぬんだ」 椎名「…え………」 芽依「8ヶ月後に死ぬんだって私………」 椎名「…でっ…でも確実じゃないんでしょ!?外れる事もあるって……」 芽依「…うん…それは先生もお父さん、お母さんも言ってた…私だってそう信じたい…でも………それすらも外れる事だってある…」 椎名「………そうか…そろそろ時間じゃ……次会うのは2ヶ月後じゃな」 芽依「っ!そんなに空くの?」 椎名「回数が重要という訳じゃないぞ、1回1回を記憶に残るものにしておきたいんじゃ……もし、余命宣告を越えたら…また教室で会おうぞ!!」 芽依「……そうだね…」
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