図書

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━━━━━ 識「…なるほど…」 莉乃「それで、芽依ちゃんは━━」 識「芽依さんの死因でしたら既に把握済みです。」 芽依「他の人にも芽依ちゃん話した事あるの?」 識「はい、芽依さんが神楽に死因を聞かれた際に私もその場に居ましたので…」 莉乃「へぇ…そもそもさ、人に死因聞いといて勝手に引いて勝手に怒るってなんなの!?」 識「それは仕方がない事かと」 莉乃「何で?」 識「さぁ…?いつの間にか習慣のようになってましたから」 莉乃「何それ怖い」 識「当初は死因を笑い話にして過去を振り返らない(・・・・・・・・・)という目的があったそうです…それが習慣になった事で本来の目的を忘れ、芽依さんのように自らの過去を引きずったままの人が習慣に基づき引きずった過去を掘り起こす…」 莉乃「じゃあ識さんは芽依ちゃんを仕方ないって理由で擁護するの?」 識「いえ、そんなつもりは毛頭ありません…ですが咎めるつもりもありません……でなければここでも生きづらくなりますから」 莉乃「…神楽さんの言ってた…ここでの自殺?……」 識「…神楽に先を越されましたか……はい、今度は肉体も意識も失くなってしまいますよ?…良いですね、お二方とも」 莉乃「えっ…?」 識「ふふふっ」 識が右手を何もない空間に翳すと半透明のディスプレイが現れる 芽依『はいはい…』 莉乃「…芽依ちゃん?」 芽依『無理やり識が私のデバイスにアクセスしてきたの…』 識「人聞きの悪い事を…私はただ仲良くしてほしかっただけですよ」 芽依『だからって無理やり通話させるのは違うと思うけど』 識「それより、お互いに言うことがあるんじゃないんですか?」 莉乃「…今じゃなくて直接言いたい」 識「…それもそうですね、では芽依さん、そこで待っててください」 芽依『…うん』
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